1997年11月16日、私達の日本代表がワールドカップ出場を決めました。出場決定に至る最終予選の死闘は皆さんご存じの通りです。その最終予選を国立、ソウル、ジョホールバルで計6試合サポートしてきた道のりの途中で、私はたくさんの新しい友人を得ることが出来ました。純粋にサッカーを楽しむ以外に、大勢の友人たちと、ひとつの目的のために共にサポートするという行為は、私の中に新しい感動と喜びをもたらしてくれました。人と知り合うこと、それはまた新しい頭脳と出会うことを意味します。彼らと話すことで、ひとつのプレー、ひとつの出来事に対して、様々な意見があることを知りました。これまではひとりで観戦することの多かった私にとって、それは新鮮な喜びでした。そして、サッカーについて自分なりの意見を持つことの大切さを感じました。これまで5年間Jリーグを見続けていた自分は果たしてサッカーについて、何をどう感じ、どう行動していたのだろう。そんなことを考え始めて1カ月半。今日からこのページで、あれこれと思索しつつ、自分なりのサッカー感をまとめていきたいと思っています。ひとりのサポーターがつれづれなるままに綴った、サッカーとそれを取り巻くすべてのものへのテーゼとしてお読みいただければと思います。Jリーグが始まって今年で6年目。ブームは去り、プロサッカーにも厳しい現実が押し寄せてきています。設立当初の理念とプロサッカーを取り巻く環境とのギャップも露呈し始めています。しかし、冒険好きの大手広告代理店さえ実現を危ぶんだプロサッカー設立が関係者の努力によって実を結び、こうしていつの間にか普通の生活の中に溶け込んで、世間話で語られるようになりました。地域密着。街と人に愛されるチーム作り。Jリーグの理念を信じて私達もサポートを続けてきました。私の住んでいる街、浦和のレッドダイヤモンズは、そういった意味で理想的な発展を遂げてきた数少ないチームのひとつだと思います。それが実現したのは、チームの努力はもちろんですが、私達一介のサポーターの力だって大きかったはずです。そんな私達レッズサポーターの目から見た浦和の魅力を、そしてもっと広く、Jリーグのこと、日本代表のこと、世界のサッカーのことを、私なりの視点で皆さんにお伝えしていけたらと思っています。
さて、では、始めましょう。あらかじめお断りしておきますが、前述のように私はレッズサポーターです。他のチームのサポーターの方には(レッズサポーターにも)不愉快な話があるかもしれません。そこはそれ、あくまでも私的なコラムとしてご容赦いただければ幸いです。よろしくおつき合いください。
さあ、明日、スタジアムでお会いしましょう。(98.01.01)