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UUCPに関する覚え書き

電子メールとネットニュースを主に使い WWW や ftp はあまり使わない場合 PPP より UUCP の方が便利で効率がよい.

利点

接続先

東京近郊だと

等.

UUCP 接続を受け付けてくれる商用プロバイダは多くないが全く無いわけではない. また商用プロバイダではなく,有志団体に参加するという手段もある. (上記 IMASY, TAMA, UINET等)

IIJ の UUCP サービスは高価だがサポートが高品質である. 障害対応も迅速.お金に余裕がある人は結構おすすめ. 企業で使うつもりならばここしかないだろう.(今更企業でUUCPもないとは思うが) 分30円なので高価に見えるが秒単位積算課金なので よほど大量のやり取りをしない限り頻繁に接続しても IIJ自身の利用料金はさほどではない. 頻繁に接続すると大変なのはNTT/TTNet利用料金だろう.

接続先に関する情報源


用意する機材


設定を行なう手順の概略

UUCP で電子メールシステムを構築する場合の概略を以下に示す.

  1. OS のインストール
  2. UUCP の設定
  3. MTA の設定
  4. MUA の設定

以下順に追って説明する.


OS のインストール

内容は省略.以下においては FreeBSD 4.x を用いる. http://www.jp.FreeBSD.org/ を参照されたし. 2000年11月末現在の最新は 4.1.1-RELEASE.出来るだけ最新版を使うこと.

UUCP そのものについては OS に標準で含まれている TaylorUUCP-1.0.6.1 を用いる.

UUCP の設定

UUCP でファイルのやりとりをできるようにする.

設定ファイルは /etc/uucp/ ディレクトリにある

である.

以下の設定例では

と仮定する.

ポイントは /var/spool/uucp 以下にできる oyanode ディレクトリに対して oyanode-tcp としてシンボリックリンクを張っておくこと. こうすることにより基本はUUCPダイアルアップだが IPリンクが確立しているときには手動で uucico をキックし UUCP over TCP/IP で接続するということが実現できる. UUCP over TCP/IP が出来ないのであれば oyanode-tcp に関する記述を削れば良い.

設定は uuchk コマンドでチェックできる. 8bit スルー(eight-bit-clean fullduplex)になるように注意.

call

接続先ノード名 ログイン名 パスワード の順に記述する.

oyanode leafsite ToHeart
oyanode-tcp leafsite Kizu_Ato

config

nodename	leafsite
spool		/var/spool/uucp
logfile		/var/spool/uucp/Log
statfile	/var/spool/uucp/Stats
debugfile	/var/spool/uucp/Debug
sysfile		/etc/uucp/sys
portfile	/etc/uucp/dial
dialcodefile	/etc/uucp/dialcode
callfile	/etc/uucp/call
passwdfile	/etc/uucp/passwd

dial

dialer		hayes	# ATコマンド利用可能
seven-bit	false	# 8bitスルー
chat-seven-bit	false
chat		"" ATZ\r\d\c OK ATDP\T CONNECT	
			# ATZで初期化が完了するモデムを想定
			# 適宜初期化コマンドを付け加える
chat-fail	BUSY
chat-fail	ERROR
chat-fail	NO\sDIALTONE
chat-fail	NO\sCARRIER
complete	\r\c\d\d+++\d\dATHZ\r\c
complete-chat-sevenbit	false
reliable	false
abort		\r\c\d\d+++\d\dATHZ\r\c
abord-chat-seven-bit	false
complete-chat-timeout	10	# 10秒間データが流れないと回線を切る
abort-chat-timeout	5

port

port		port0		# ダイアルアップ
type		modem
seven-bit	false		# 8bitスルー
device		/dev/cuaa0
dialer		hayes		# ATコマンド
speed		115200		# 端末速度固定
protocol	igaG		# i が全二重通信で最高効率
reliable	false
half-duplex	false		# 全二重通信
hardflow	true

port		port1		# UUCP over TCP/IP
type		tcp
service		540
protocol	t
reliable	true
half-duplex	false
seven-bit	false

sys

call-login	*
call-password	*
local-send	/var/spool/uucppublic
local-receive	/var/spool/uucppublic
time		any

system		oyanode			# ダイアルアップ
port		port0
phone		0081-03-123-4567	# TTNet 経由
chat		"" \r\c ogin:--ogin:--ogin: \d\L assword: \d\P
chat-timeout	10
chat-seven-bit	false
callback	n
sequence	n
request		y
transfer	y
local-send	/
remote-send	~
local-receive	~
remote-receive	~
call-timegrade	Z Wk1400-2259,Sa1400-2259,Su1400-2259
	#深夜料金帯以外ではニュースを受け取らない
	#JSTではなくGMTであることに注意
command-path	/bin /usr/bin 
commands	rmail rnews
protocol-parameter	g packet-size		1024
protocol-parameter	g remote-packet-size	1024

system		oyanode-tcp		# UUCP over TCP/IP
port		port1
chat		ogin: \L word: \P
address		oyanode.aqua.com	# 上位サイトの FQDN or IP アドレス
call-login	leafsite
call-password	Kizu_Ato
chat-timeout	20
chat-seven-bit	false
callback	n
sequence	n
request		y
transfer	y
local-send	/
local-receive	-
remote-send	~
remote-receive	-
command-path	/bin /usr/bin
commands	rmail rnews


MTA の設定

メールの送受信をするために MTA の設定をする必要がある. ここでは FreeBSD 標準の sendmail を使う方法と ports にてインストールする postfix を使う方法を考える. 設定の容易さから考えれば postfix を推奨する.

sendmail の場合

sendmail そのものは FreeBSD, NetBSD 標準添付のもので問題ない. sendmail.cf を設定し メールが UUCP のキューに入るようにする. 設定には sendmail 添付の cf を使う.

postfix の場合

FreeBSD においては postfix は標準ではインストールされないので ports/packages を用いてインストールする. 安定バージョンである ports/mail/postfix を使うとよい.

postfix の設定に関しては別にまとめてある(ただしIPreachable環境における設定例) ので参照されたい.

UUCP 接続におけるポイントは sample-misc.cf の relayhost と sample-transport の UUCP の記述である. これによってデフォルト配送先として UUCP リンクを規定する.

popper のインストール

POP サーバである qpopper をインストール. これにより Windows/Macintosh 環境からメールを読み書きすることが できるようになる. FreeBSD の場合には package からいれたほうがよい.

MUA のインストール

標準状態で入っている ucbmail (/usr/bin/mail) でもよいが 昨今の状況からすると余りにも機能が貧弱. FreeBSD の ucbmail は日本語の取り扱いに多少問題があるとも聞く. 何か適当なものを用意することが必要. Unix 環境である程度 CPU 速度に余裕があるならば MewWonderlust がお勧めである.

Windows からの読み書きを行うのであれば Becky!, Datula などがよいだろう.

ニュースサーバのインストール

ネットニュースの購読を行うのであれば INN をインストールする. 詳細についてはここでは触れない.


備考

FreeBSD,OpenBSD には ports/packages, NetBSD には pkgsrc という 簡単にソフトウェアをインストールする手段がある. これで popper, MUA のインストールは簡単にできる. ports/packages, pkgsrc が既に存在する場合にはネットニュースや メーリングリストなどで質問するときの混乱を防ぐため 出来る限り ports/packages, pkgsrc を使ってインストールすること.


参考文献


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高山 啓介 taka at magic.uinet.or.jp