日本向け生ギネスはどこから?
Where "Guiness Draught" served in Japan comes from?
1.世界中で作られているギネス / Guiness brewed in the world
ギネスはアイルランド本国はもちろん、アジア、アフリカなど世界51ヶ所で醸造されています。
世界最大の工場はロンドン郊外にあるそうですから、日本で長らくの間「ギネスはイギリス
(イングランド)の酒」と認識されていたのも致しかたないところでしょう。
世界中の工場でギネスが本国と全く同じレシピで造られているかというと、そうではありません。
その土地の好みに合わせて多彩なアレンジが施されています。しかし、それらのルーツをたどって
行くと次の3種類のベースに行き着くそうです。(ギネス社のホームページより抜粋)
・Draught (窒素と炭酸のクリーミーな泡が特徴。本国で飲まれている、いわゆる「生(ドラフト)ギネス」。)
・Extra Stout (最も歴史とバリエーションのあるギネス。炭酸とアルコール度数はちょっと高め。)
・Foreign Extra Stout (輸出用にアルコール度数をもっとも高くしたタイプ。)
2.日本向けのギネスはどこから? / where Guiness for Japan comes from?
日本にはギネスの工場がありません。つまり販売されているものはすべて輸入品です。
缶やびんのギネスはラベルを見れば生産国が分かります。大半は「イギリス」と書いてあります。
それではパブで飲める「生(ドラフト)ギネス」は、どこから輸入されているのでしょうか。
缶と同じイギリス(イングランド)? それとも最寄りの工場があるマレーシア?
実は日本はアジアで唯一、アイルランド本国から生ギネスを輸入している国なのです。
日本で初めてドラフトを取り扱う際に新鮮で輸送費の安いマレーシア工場からの輸入が検討
されたのですが、本国のものと多少味が異なるのでやめたという経緯があるそうです。
おそらく日本は正統派の生(ドラフト)ギネスが飲める、アイルランドから最も遠い国なのでは
ないでしょうか。

これが直輸入の樽ギネスについているラベルです。(直径約22cm)
label on Draught Guness barrel (9" in diameter)

生産国を記した部分のアップ。確かに "Product of The Republic of Ireland." と書かれていますね。
enlarged photo focused on "Product of The Republic of Ireland."
3.まだ残る謎 / more mistery
ところが日本で楽しめる「生(ドラフト)ギネス」がアイルランド本国と全く同じかというと、残念ながらそう
でもありません。
アイルランド本国で飲まれた方はご存知だと思いますが、同じアイルランド製でも国内樽と輸出樽では
アルコール度数が違うのです。(アイルランド国内4.8%、輸出用5.0%)。
これは日本向けが特別ということではなく、輸出用はすべてそうなっているようです。これについては
前述の Foreign Extra Stout と同様 「日持ちをよくするため」との説があるそうですが、本当のところは
謎につつまれています。
協力: デクラン サーマス、"Cadeau" (東京都 港区 芝)
Special thanks to: Declan Somers, "Cadeau" (Shiba, Minato-ku, Tokyo)
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