試合データと観戦記 1回戦

<試合データ>
・このデータは観戦中のメモによるものであり、公式記録ではありません。
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  ☆ 第75回全国高校サッカー選手権大会 1回戦 ☆

      浦和市立高等学校(埼玉県代表)
         vs
      近畿大学付属高等学校(大阪府代表)

       会場:大宮公園サッカー場 
       試合開始:12時10分 天候:快晴 

           先発メンバー
       浦和市立     近大付属

      1 宮下   GK   古荘 1
      2 佐野  ┐ ┌  森  5
      3 生江  │DF│  辻本 2
      5 斉藤  │ └  下松 20
      7 大野  ┘ ┌  門田 6
      8 大森  ┐ │  喜多 10
      6 堀之内 │MF│  小川 4
      12 新井  │ │  脇  7
      10 田中  ┘ └  中村元8
      17 益子  ┐FW┌  野村 18
      18 金嶋  ┘ └  福田 9

      交代:<浦和市立>大森→中村16 (前半38分)
               佐野→井上24 (後半36分)
         <近大付属>門田→三好11 (前半38分)
               野村→中村竜14(後半28分)
               小川→桑島19 (後半29分)

      得点:前半30分<近大付属>喜多10
         後半25分<浦和市立>新井12
           38分<浦和市立>新井12


<観戦記>

 朝10時20分、大宮公園サッカー場に着く。駐車場では近大付属のブラスバンドが音出しに余念がない。県予選で敗れた武南の生徒が、会場準備に走り回る。今年も高校サッカーの季節なんだなぁ・・と、改めて思ってしまう。大晦日だというのに、メインスタンドの入場口は既に長蛇の列。例年ながら、サッカー少年団の子供たちの姿が目に付く。
 10時40分開場。おなじみの高校サッカーのテーマ曲「♪振り向くなよ・・」が流れ、入場が始まる。メインスタンドの中央やや市高サイドよりの前から3列目に席を確保する。バックスタンド市高応援席はすでに生徒や父兄で満員だ。選手達がフィールドでアップを始める。レッズの試合を見慣れている目には比較的静かな試合前の情景に映る。試合開始20分前、既にメインスタンドは満員、バックスタンドも95%の入り、市高側ゴール裏は60%くらい、逆サイドはちらほらと言う感じ。8000人くらいは入っているだろうか。
 選手紹介、そして、両チームの応援団による校歌とエールの交換。だんだんと会場が熱気を帯びてくる。選手入場。コイントスに勝った市高が太陽の関係で駐車場よりのサイドを選択する。
 12時10分キックオフ。両チームとも初戦とあって動きが硬い感じ。近大付属が先にペースをつかむ。中盤での速いパス回しから縦への突破で何度もチャンスをつくる。市高はボールをキープできずパスも軒並みカットされ、苦しい局面が続く。最初にゴールネットを揺らしたのは、やはり近大付属だった。前半30分、左サイドペナルティエリア内での18番野村を中心とした崩しから、戻したボールを10番喜多が中央からゴール右へ約20mのミドルシュート。飛びつくキーパーの指先をかすめてボールはネットにつき刺さる。会場は悲鳴に包まれる。近大付属の選手が歓喜の輪を作る。
 試合再開。まだ市高イレブンの目は覚めないのか。このまま早く前半を終われ、と思っていた矢先、アクシデントが起こる。中央ハーフラインやや近大付属よりでハイボールに競り合った市高8番大森と近大付属6番門田両者の頭同士が激突、門田は前頭部から出血し、両者とも担架で運び出されそのまま交代となる。ざわついた雰囲気のまま、ハーフタイムへ。
 会場はいつの間にか両サイドゴール裏までぎっしり埋まっている。
 サイドが変った後半は、いくらか動きが良くなった市高と、虎の子の一点を守りつつ何とか追加点をゲットしようとする近大付属の間で一進一退の攻防が続く。両チームとも決定的な場面が何度かあるが、なかなかゴールを割れない。後半20分くらいから近大付属の選手たちに疲れが見え始める。その分、市高がボールをキープする時間が長くなり、徐々に同点への期待が高まってくる。
 幸運の女神が微笑んだのは、それからまもなくだった。市高右サイドからのCKのチャンス。12番新井が左足で蹴ったボールは、見事な弧を描き近大付属ゴールに直接ゴールイン。同点!スタンド中が沸き上がる。プロでもめったに見られないファンタスティックなゴールをきっかけに、市高の動きが俄然良くなり始める。右サイドから中央から果敢にゴールを狙う市高の選手達。その後、市高2番佐野が負傷で退場し、FWの金嶋がDFに回り、24番井上が2トップの一角に入った。これで攻守のリズムが微妙に変った。ゴール前まで攻め込まれキーパーも振り切られ、ディフェンダーのクリアでかろうじて守り切った場面もあったが、まもなくPK戦に突入かと思われた後半38分、市高はペナルティエリア内での混戦から、10番田中(だと思う)のヒールパスに走り込んだ12番新井が右足でシュート。アウトサイドに掛けてゴール右に切れていく絶妙のシュートで見事決勝点をゲット。
 会場は沸騰した。そのまま、長い長いロスタイムの末、長い笛がフィールドに響いた。難敵といわれた強豪・近大付属を破って、市高サッカーが手にした12年ぶりの勝利だった。バックスタンドではオレンジ色のメガホンが波のように揺れる。「♪曙の白露匂う・・・」校歌が流れ校旗が掲揚台に掲げられた。校歌が終わると選手達は一目散にバックスタンドに駆け寄り、応援団と、そして、ベンチに入れなかった選手達と抱き合って喜びを表現した。
 さぁ、次は水戸商業。気の抜けない相手が続く。このまま頑張って、国立で君達の雄姿を見せて欲しい。


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